部門紹介 リハビリテーション科

部門紹介 リハビリテーション科

理学療法

呼吸器疾患の理学療法

呼吸器疾患の方は動くと呼吸困難感を生じるので動くことが億劫になり、身体活動量が減少する傾向にあります。身体活動量が減少すると徐々に体力が低下し、さらに動けなくなっていくという悪循環に陥ってしまいます。そのため、呼吸困難感の軽減や体力向上を目的に呼吸法指導や排痰法や運動療法を行っていきます。

エルゴメーターを使用した運動療法
エルゴメーターを使用した運動療法
呼吸法指導
呼吸法指導

神経難病の理学療法

神経難病の方は、身体を動かすことが難しくなることで、二次的に筋力低下や関節拘縮が生じやすくなります。理学療法では、病気の進行とは別に不動によって生じる筋力低下や関節拘縮などの二次障害を予防します。また、寝返り、立ち上がり、歩行といった基本動作を少しでも自身の力で行えるような動作指導や福祉用具を使用しての動作練習を行います。また、呼吸障害がある方には、呼吸リハビリを行い、少しでも安楽に過ごしていただけるように理学療法を行っていきます。

重症心身障碍児(者)の理学療法

重症心身障碍児(者)の方は、身体を思うように動かすことが難しく、不良姿勢や筋緊張が高いことで関節拘縮や変形をきたしやすくなります。そういった方に対して関節可動域運動や安楽な姿勢を調整することで、拘縮や変形の予防を行っています。また、肺炎をきたすことがあるので、呼吸理学療法を行って安楽に過ごしていただくための支援を行っています。

関節可動域運動
関節可動域運動

LSVT®BIG 始動

LSVT®BIG とは?

LSVT(Lee Siverman Voice Treatment)®BIGとは、アメリカで開発された、パーキンソン病に特化した運動療法です。 LSVT®BIG は、治療効果を国際的に維持するために商標登録化されており、臨床で実施するためには研修に参加し、認定試験に合格したセラピストが実施する必要があります。
パーキンソン病の特徴の1つに「動作が小さくなってしまう」というのがあります。これは感覚統合異常のため自身の動作が小さくなっていることに気づいていないことから起こります。LSVT®BIGは、勤作の大きさに焦点を当てた運動プログラムであり、集中的に高い努力で、意識して大きな動作を行うことで脳神経の可塑性(機能的・構造的変化)を促し、感覚運動システムの再教育を行います。
そうすることで、動作緩慢や運動機能を改善し、日常生活動作の能力も向上させることを目的としています。

LSVT®BIG の基本的な参加条件
  1. ヤール重症度分類Ⅰ~Ⅲの方。
  2. 症状が安定しており服薬調整が不要な方。
  3. 日常生活が自立しており、独歩が可能な方(歩行補助具使用可能)。
  4. 課題や宿題が実施できる認知能力のある方。
  5. 著名な関節変形、疼痛のない方。
  6. 1回60分のリハビリを4日連続✕4週間、初回・最終評価の合わせて18回以上の治療に参加できる方。

その他、詳しくは主治医、またはリハビリテーション科にお問い合わせ下さい。

作業療法

呼吸器疾患の作業療法

COPDなどの慢性呼吸不全は、息切れのために生活動作が徐々に困難になりやすく、QOL(生活の質)が低下した状態になってしまいます。
作業療法では、日常生活活動(食事、整容、更衣、トイレ、入浴)を評価し、少しでも安心して日常生活が送れることを目的に動作方法や休憩のタイミングなどを支援させていただきます。

神経難病の作業療法

神経難病の方は、身体が思うように動かなくなることで日常生活活動(食事、整容、更衣、トイレ、入浴)が行いにくくなります。作業療法で福祉用具を使用して練習することで生活しやすいように支援します。
言語障害によりコミュニケーションが取りにくくなった方に対して、文字盤やパソコンや携帯電話などを使用してコミュニケーションを取りやすいように支援していきます。

トイレ動作練習
トイレ動作練習

重症心身障碍児(者)の作業療法

重症児・者においては拘縮変形の予防、発達を促すための訓練を主として、暮らしの中で本人が楽しめることはなにか、暮らしを長く送るためにはどうしたらいいのかを考えながら関わっています。発達を促すための訓練としては遊びを通し刺激に対する反応を引き出す感覚運動訓練や姿勢保持訓練活動経験の積み重ね、また摂食動作を行う方法、食具、姿勢の検討などを行います。

言語聴覚療法

呼吸器疾患の言語聴覚療法

呼吸器疾患は息苦しさからうまく食事がとれず、摂食嚥下障害や誤嚥性肺炎をきたす原因となり得ます。そのため、食事場面での嚥下訓練や呼吸練習、発声構音訓練を行っております。

神経難病の言語聴覚療法

口唇や舌、喉、呼吸器など話すための器官が障害されると、声が出にくい、呂律が回らないなどの構音障害が生じます。口唇・舌の運動や呼吸練習・発声構音訓練を行い、機能回復や機能維持を図ります。
また、摂食嚥下障害を併発された患者さまに対し、食事場面の観察や評価、嚥下内視鏡検査(VE)にて摂食・嚥下機能を評価し、安全な食事環境の選定、誤嚥を予防するための訓練や指導を行います。

重症心身障碍児(者)の言語聴覚療法

姿勢・運動障害が主症状ですが、知的障害、視覚障害、聴覚障害、呼吸障害、摂食・嚥下障害、てんかん発作などを合併することが多く見られます。
主に摂食・嚥下機能の評価と指導、コミュニケーション支援などを他職種と連携をとりながら行います。

その他の取り組み

他職種とともにNST栄養サポートチームの嚥下チームの一員として、週に1回ラウンドを行い専門的なアプローチが行えるよう努めています。