小児科
診療科の特徴
当院小児科では常勤6名、非常勤3名の小児科医師が外来および病棟での診療を担当しています。
経験豊かな小児科医が子どもたちの抱える、さまざまな悩みやしんどさに対応しています。子どもたちやそのご家族の訴えにゆっくりと耳を傾け、丁寧な診察を行い、子どもたちやそのご家族に納得して頂ける医療を提供しています。すぐには解決しない訴えや長く付き合うことが必要な疾患を対象とした診療を行っていますが、子どもたちとそのご家族に根気強く寄り添うことを心がけています。
診療内容
あらゆる子どもの病気の診療を行っていますが、特に、以下のような診療分野については、それぞれのエキスパートが専門的な診療を提供しています。
- 小児アレルギー疾患
- 小児心身症、起立性調節障害、不登校
- 発達障害、てんかん
- 小児呼吸器疾患(長く続く咳や喘鳴、繰り返す肺炎・気管支炎など)
- 子どもの成長に関連する疾患(肥満、やせ、低身長、思春期早発・遅発)
- 医療的ケア児(者)を対象とした呼吸管理
- 小児結核、BCGワクチン後コッホ現象、BCGワクチン副反応
当院での対応が難しいと判断した場合には、適切な対応を受けることが可能な医療機関を紹介させていただきます。
こんな症状、悩みでお困りでしたら、当院小児科がお役に立てるかもしれません
- 毎日の学校や家庭での生活にしんどさ、つらさを抱えている
例えば、朝起きることができません、なかなか眠ることができません、いつもだるくてしんどいです、からだを少し動かすとふらふら、ドキドキします、学校に行く意欲がわきません、人と会うこと・お話しすることがしんどいです、みんなと一緒に過ごすことが苦手です、学校の勉強についていくのがしんどいです、食事をとることに怖さを感じています、なかなか食欲がわきません、・・・
- 子どもにみられるさまざまなアレルギー疾患
例えば、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎(長く続く湿疹)、気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、繰り返す蕁麻疹、・・・
- 肥満ややせ、低身長、思春期発来に関する悩み
例えば、徐々に体重が増えてきました、やせが進んできました、小柄なことが心配です、身長の伸びが悪くなってきました、二次性徴が普通より早く始まっています、そろそろ中学卒業ですが二次性徴がみられません・・・
- 発達に関する様々な悩み
例えば、寝返り・はいはい・つかまり立ちがみられません、なかなか言葉がでてきません(おしゃべりをはじめません)、視線があいません、ほかの子たちと交わって遊ぼうとしません、気に入らないことがあると癇癪をおこします、周囲の状況を気にすることなく興味のあるものに向かっていってしまいます・・・
- なかなか治らない咳やゼイゼイ、繰り返す咳やぜいぜい
例えば、風邪をひくと必ず咳がひどくなります、いったん咳やゼイゼイが出てくるとなかなか収まりません、喘息と診断されて治療をうけていますがなかなかよくなりません、・・・
- 口呼吸やいびき、夜間の無呼吸
例えば、鼻が詰まっているのかいつも口をあけて呼吸をしています、寝るといびきがひどく、ときに呼吸がとまってしまいます、・・・
- BCGワクチンに関連した悩み、小児結核に関する心配
例えば、コッホ現象ではないか、BCGワクチンを接種したのちに腋窩(わきの下)のリンパ節が腫れてきました、時々会っていた親戚が結核と診断されました・・・
- いつもしんどそうな呼吸をしている医療的ケア児(者)
例えば、常にゴロゴロ、ゼイゼイがみられ、しんどそうな呼吸をしています、繰り返し肺炎を起こして頻回に入院することが必要です・・・
さまざまな症状、悩みに対してこんな診療を提供しています
- 毎日の学校や家庭での生活にしんどさ、つらさを抱えている
丁寧な問診、からだの診察を行って、器質的疾患(内臓などの異常によるからだの病気)の可能性についてしっかりと評価をします。器質的疾患の可能性が低いと評価される場合には、さまざまなからだの症状に結びつく、ストレス要因や発達特性、自律神経の調節の乱れなどについて丁寧に評価をします。必要に応じて、心理療法士が発達検査や心理検査などを実施し、診断の参考とします。
丁寧な評価に基づいた診断に対して、カウンセリングや生活指導、あるいは薬物療法の適用を提案します。
児童精神科での対応も望ましいケースでは専門医による診察も提案します。
生活環境の調整が必要な場合には、当院に隣接する京都府立城陽支援学校病弱教育部と連携した長期入院施設療法の適応も考慮します。
- 子どもにみられるさまざまなアレルギー疾患
ガイドラインに基づいた標準的なアレルギー診療を提供しています。食物アレルギーについては、血液検査や経口負荷試験に基づいて、可能な例に対しては経口免疫療法も適応します。アナフィラキシー症状が出現する可能性がある例についてはアドレナリン自己注射(エピペン®)の処方・指導も行います。
- 肥満ややせ、低身長、思春期発来に関する悩み
肥満傾向のお子さんを対象としては、肥満増悪に伴う問題点を丁寧に説明するとともに、肥満増悪に至る原因を一緒に考え、継続して取り組むことが可能な生活指導を行います。生活習慣のみに原因があるわけではないことも十分に説明し、劣等感を持つことなく、肥満治療に前向きに取り組むことができるようにかかわっています。
やせや体重減少が進むお子さんについては、現在の身体状況を十分に評価するとともに、その原因を丁寧に検索します。身体疾患のほか、心理的な要因(食べることに対する恐怖ややせ願望など)についても丁寧に評価し、その原因に応じた治療方法を検討します。緊急の介入が必要な例に対しては入院治療も検討します。
低身長のお子さんについては、これまでの成長の過程やご家族の状況なども丁寧に評価し、その原因に関する検索を進めます。成長ホルモン補充療法が有効と思われる例(成長ホルモン分泌不全症やターナー症候群など)と診断された例に対しては成長ホルモン補充療法を適用します。
二次性徴が通常より早くにみられるお子さん*)については、思春期早発症の可能性も念頭に、身体所見をしっかりと評価したうえで、内分泌的な検査や頭部を含む画像検査により評価を行います。診断された診断に基づいて、必要と思われる治療を検討します。
*)思春期が通常より早くみられると考える目安;女の子 胸のふくらみが7歳半まで、陰毛が8歳まで、初経が10歳半までに見られる、男の子 陰毛が10歳まで、声変りが11歳までに見られる)
- 発達に関する様々な悩み
精神運動発達に関する発達状況を丁寧に評価します。精査が必要と思われる例については頭部MRI等の検査も実施します。発達障害の可能性も考慮される例については、日々の生活の様子やこれまでの生活の状況なども詳しく情報収集を行います。発達上の課題があると思われるお子さんについては、日々の生活におけるかかわり方を指導するほか、発達支援を目的に療育センターへの通園や作業療法の適用なども考慮します。
- なかなか治らない咳やゼイゼイ、繰り返す咳やぜいぜい
これまでの経過(いつから症状が出現したのか?、どんな時に咳やゼイゼイが出現するのか?ひどくなるのか?、これまでにかかった医療機関ではどのように診断されて、どのような治療をうけてきたのか?など)や家族歴、生活環境などのついて十分に情報収集を行い、呼吸の様子(聴診も含め)を丁寧に評価します。
さらに胸部画像所見や呼吸機能検査、喘息の可能性が疑われる例については呼気NO検査、さらに上気道病変が疑われる例では内視鏡検査なども適用して、正しい診断につなげます。診断に基づいて、有効と思われる治療を検討・適用して、その有効性を評価します。
- 口呼吸やいびき、夜間の無呼吸
扁桃腺やアデノイド腫大、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(蓄のう症)などの可能性を念頭に、丁寧な診察と画像検査を適用します。無呼吸がみられる例では、無呼吸の程度・重症度を評価するスクリーニング検査を行います。耳鼻科的な治療が必要と思われる例については、専門的な医療機関を紹介します。内科的な治療が有効と思われる例に対しては薬物療法を適用して、その有効性を評価します。
- BCGワクチンに関連した悩み、小児結核に関する心配
BCGワクチンに伴ってしばしば出現する副反応やBCGワクチン接種後コッホ現象**)について、専門的な診療を行っています。結核と診断された方と接触があった子どもたちを対象に、保健所からの紹介により接触者健診を行います。また、結核に感染している、あるいは発病していると診断されたお子さんに対する治療も行っています。 小児結核診療のてびき **)BCGワクチン接種後コッホ現象;結核にすでに感染しているお子さんにBCGワクチンを接種すると、通常よりも早い時期に(接種翌日から1週間以内)、接種局所に強い反応(針痕に一致した赤みや盛り上がり、膿をつける)がみられます。このような所見がみられたお子さんについては結核感染・発病に関する丁寧な評価が必要となります。
- いつもしんどそうな呼吸をしている医療的ケア児(者)
医療的ケア児(者)の中には呼吸に関するしんどさを抱える例も多くおられます。呼吸のしんどさにつながる様々な原因を理解しながら、少しでも呼吸のつらさが軽減される介入方法を検討します。丁寧な診察を行うほか、胸部CTや喉頭・気管支ファイバー検査等も実施して、呼吸障害の増悪要因を見つけ出して、有効な方策を検討します。必要と思われる例では呼吸障害の評価、介入を目的とした短期入院も実施しています(看護スタッフ、リハビリスタッフや臨床工学技士と連携しながら関わっています) リハビリテーション科 臨床工学部門 なお、地域で生活されている医療的ケア児(者)を対象としたレスパイトサービス(短期入所事業)も提供しています。 療育指導室
スタッフ紹介
副院長 徳永 修Osamu Tokunaga
- ・出身大学
自治医科大学
- ・得意分野
小児呼吸器疾患
小児結核診療
医療的ケア児(者)を対象とした呼吸管理
小児肥満 - ・外来担当
一般外来(火曜午前)
小児呼吸器・呼吸管理(月曜午後)
小児肥満(木曜午後)
小児科医長 木村 祐次郎Yujiro Kimura
- ・出身大学
愛媛大学
- ・認定・専門医等
小児科専門医
「子どもの心」相談医 - ・得意分野
小児心身症
不登校
起立性調節障害 - ・外来担当
一般外来(木曜午前)
こころとからだ(水曜午後)
小児科医長 甲斐 亜沙子Asako Kai
- ・出身大学
京都大学
- ・認定・専門医等
小児科専門医
「子どもの心」相談医 - ・得意分野
小児心身症
小児内分泌疾患(低身長
思春期早発症など) - ・外来担当
一般外来(月曜午前)
こころとからだ(第1・3木曜午後)
小児内分泌(水曜午前)
小児科医師 渡部 基信Motonobu Watanabe
- ・出身大学
三重大学
- ・認定・専門医等
小児科専門医
臨床心理士
公認心理師 - ・得意分野
睡眠障害
小児心身症 - ・外来担当
一般外来(水曜午前)
小児心身症・こどもの睡眠(火曜午後)
小児科医師 田中 尚子Naoko Tanaka
- ・出身大学
京都大学
- ・認定・専門医等
小児科専門医
- ・得意分野
感染免疫
小児アレルギー - ・外来担当
一般外来(金曜午前)
小児科医師 田尻 雄二朗Yujiro Tajiri
- ・出身大学
福岡大学
- ・認定・専門医等
小児科専門医
- ・得意分野
小児アレルギー
- ・外来担当
一般外来(水曜午前)
小児アレルギー(月曜午後)
非常勤医師(名誉院長) 宮野前 健Takeshi Miyanomae
- ・出身大学
京都大学
- ・認定・専門医等
小児科専門医
- ・得意分野
小児アレルギー
障がい児(者)医療 - ・外来担当
小児アレルギー(第2・4・5火曜午後)、慢性疾患(第1・3・5月曜午後)
非常勤医師(宇多野病院小児神経科医長) 白石 一浩Kazuhiro Shiraishi
- ・認定・専門医等
小児科専門医
小児神経専門医 - ・得意分野
小児神経
発達障害
小児心身症 - ・外来担当
小児神経発達(第1・3水曜午後)
非常勤医師 佐々木 彩恵子Saeko Sasaki
- ・認定・専門医等
小児科専門医
小児神経専門医 - ・得意分野
小児神経
発達障害 - ・外来担当
小児神経発達(火曜午前・午後)
外来担当医表
小児科
月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 午前 一般
小児科甲斐 亜沙子 德永 修
10:00~田尻 雄二朗 渡部 基信 木村 祐次郎 田中 尚子 専門外来 再診1
再診2小児神経発達 佐々木 彩恵子 再診2 再診1 再診1
再診2再診1
再診2午後 (要予約) 一般
小児科小児心身症
こどもの睡眠 渡部 基信専門外来 アレルギー
呼吸器 田尻 雄二朗(第2、4、5週)
アレルギー 宮野前 健こころとからだ 木村 祐次郎 小児肥満 德永 修 再診 甲斐 亜沙子 (第1、3、5週)
慢性疾患外来 宮野前 健予防接種
交代制小児内分泌 甲斐 亜沙子 予防接種 交代制 呼吸器
呼吸管理 德永 修小児神経発達 佐々木 彩恵子 (第1、3週) 小児神経発達 白石 一浩 (第1、3週) こころとからだ 甲斐 亜沙子 心理療法士
お子さまやご家族が抱えている日常生活での困り感やお悩みごと等についてお話をうかがいます。主に、「検査」、「カウンセリング」、「院外組織との連携」を通して、より自分らしい生活を送ることができるようお手伝いをさせていただいています。
検査・カウンセリング・組織との連携について
検査「診断名をつけるときの参考に・・・」、「日常生活でどんな工夫をしたら生活しやすいかな?というヒントを探したい」、「こういうことは得意だけど・・・こういうことは苦手っていうことを知りたい」、「自分はすごく頑張っているのになぜか周りの人には分かってもらえない・・・分かってもらえる資料が欲しい」など、検査をすることで困っていることを解決するヒントが見つかりそうなときに行います。当院では、
[1]発達・知能検査:WISC、WAIS、新版K式発達検査
[2]パーソナリティ(性格)検査:描画、SCT、MMSE、PFスタディ
[3]認知機能・その他の検査:PARTS-TR、DN-CAS、K-ABCⅡ、読み書き検査
等を行うことが可能です。カウンセリング「なんとなくおしゃべりがしたい」、「イライラについて一緒に考えてくれる人が欲しい」、「どこで過ごしていてもしんどい」、「「こんな事話したら怒られるかな」って思うことあるけど話してみたい」等々、なんでもお話してみてください。Body Connect Therapy の研修を修了している心理士、ストレスについて一緒に考えていくことが得意な心理士、色々な”遊び”を取り入れることが得意な心理士、とそれぞれに得意なことがあります。
組織との連携学校、児童相談所、市町村での子育て支援課 等々・・・助けてほしい、伝えたいことがある、でもどうしたら良いか分からない、間に入ってもらえないかな?という時にご相談ください。お手伝いできることがあるかもしれません。また、こちらから、こういうところに力を貸してもらうのはどうですか?とご提案できることもあります。
心理士がお会いするまでの流れ
-
①担当医にお困りごとについてお話をしてください
-
②検査やカウンセリングの希望、その他心理士がお役に立てそうなことがあれば、担当医にお伝えください
-
③心理士が検査を実施したり、お話をお聞きしたりします
スタッフ紹介
心理療法士 上迫 澄世Sumiyo Uesako
- ・保有資格
公認心理師
臨床心理士
臨床発達心理士
心理療法士 稲葉 帆南Honami Inaba
- ・保有資格
公認心理師
臨床心理士
心理療法士 川根 裕輝Hiroki Kawane
- ・保有資格
公認心理師
臨床心理士
- ・認定・専門医等