呼吸器センター【外科】
診療科の特徴
体制
呼吸器センター(内科部門)と毎週1回、呼吸器疾患の症例検討会を行っており、それぞれの患者さんに最も適切な治療をお勧めできる体制を整えています。呼吸器疾患に関しては、総合病院にも勝る診療体制であると自負しております。
診療内容
①肺癌
滋賀医科大学呼吸器外科学講座の全面協力のもと、肺癌に対して、胸に約 4cmの切開創と2cmの小さな穴2カ所を開けて、ビデオスコープの画面を見て手術する完全胸腔鏡下肺葉切除術と肺区域切除術を積極的に行っています。術後の痛みが軽くなり、また、開胸創が小さいことにより高齢の患者さんの回復が早くなっています。最短、術後1週間で退院が可能です。最近では、肺癌症例の約9割に胸腔鏡下手術を行っています。
②自然気胸
自然気胸の手術では、胸腔鏡下に切除した肺の表面に生体内吸収性のシート(PGAシート)を貼ることにより、気胸の術後再発率を著明に減少させることに成功しています。胸腔鏡下の自然気胸手術では、以前は術後の気胸再発率が約8%でしたが、現在では、1.7%に減少しています。(吸収性シートを貼付した 116手術症例中2例が再発)
③縦隔腫瘍
縦隔腫瘍に対しても胸腔鏡下手術を積極的に行っています。C02(二酸化炭素)送気で行うことが多く、傷も2cm以下であるため、術後回復が早く、土週間弱の入院で施行可能です。
④炎症性疾患
炎症性疾患でも、過去20年間で膿胸45例、非結核性肺抗酸菌症25例の手術を経験しています。慢性炎症性疾患患者さんが多く集まる南京都病院の特徴を生かして、炎症性疾患に対しても積極的に手術を行っています。
⑤その他の手術
■ 気道ステント・気管内バルーン拡張術
手術とならんで、肺癌のために気管や気管支が狭窄し呼吸が苦しくなっている患者さんの気道に筒状の拡張性金属ステント(EMSステント)を挿入して、気道を広げて呼吸状態を改善する気道ステント挿入術も当科で施行可能です。
また、気管支結核で気管や気管支に狭窄を認める場合には、気管内バルーン拡張術も当科で施行可能です。
■ 埋め込み型中心静脈カテーテル留置術・PICCE
末梢ルート確保が困難な患者様へめ込み型中心静脈カテーテルの留置や PICC(未梢挿入式中心静脈カテーテル)の挿入なども施行可能です。重症心身障害や神経難病で経腸栄養が施行困難な患者様にも施行しています。
スタッフ紹介
呼吸器外科 医長 大塩 麻友美Mayumi Oshio
- ・出身大学
滋賀医科大学
- ・専門分野
呼吸器外科一般
- ・認定・専門医等
呼吸器外科専門医合同委員会 呼吸器外科専門医
日本外科学会 外科専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡指導医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
・メッセージ
患者さんにご満足頂けるよう、微力ながら精一杯診療させて頂きます。安全で患者さんへの負担の少ない手術を行います。何でも気軽にお問い合わせ下さい。