禁煙外来このページを印刷する - 禁煙外来

小児科

1. 喫煙が健康に及ぼす影響について

喫煙は日本人の主な死因である癌、脳血管疾患、心疾患との関係が明らかとなっています。例えば日本では1年間に肺がんでおよそ6万人の方が亡くなりますが、喫煙者が肺がんになる危険性は、非喫煙者と比較して4倍を超えるという疫学的なデータがあります。日本では年間に約11万人の方がタバコの影響によって死亡していると考えられており、海外の報告では喫煙者と非喫煙者では寿命に約10年間の違いがでるという報告もあります。
副流煙による受動喫煙が周囲へ健康被害を及ぼすことも見逃せません。副流煙の成分の大半は直径2.5μ以下の微細粉塵(PM2.5)であり、受動喫煙の暴露によって癌や心疾患、脳血管疾患のリスクが高まるだけでなく、小児喘息の発症や悪化、乳幼児突然死症候群との関連も明らかにされています。喫煙は本人の健康だけでなく、周囲で生活する子供や家族、職場の同僚にも健康上のリスクを与えることになります。


2. 喫煙がやめられない理由 ニコチン依存症

タバコの煙には4000種類以上の化学物質が含まれ、そのうち250種類以上は人体に対して有害で、発癌性を持つと言われています。その中でも代表的な有害物質のひとつとしてニコチンがあり、その依存性によって喫煙習慣を形成します。
ニコチンは喫煙によって体内に取り込まれると、脳に作用することでドーパミンやノルエピネフリン、セロトニンなどの様々な神経伝達物質の分泌を促進し、そのため眠気さましや気分高揚、快感や報酬感を喫煙者にもたらします。喫煙によって取り込まれるニコチンの効果は長くは続かないため、喫煙者はニコチンが切れると再びニコチンをとりこむために喫煙するようになり、やがてその繰り返しの中で喫煙への依存(ニコチン依存症)が形成されていきます。禁煙を行うと多くの方がイライラしたり、タバコが欲しくてたまらないような欲求に苦しむのは、アルコールや麻薬への依存と同じようにニコチンからの離脱症状が出現するためです。


3. 禁煙外来での治療

現在禁煙治療に使われる薬は3種類で、ニコチンガム、ニコチンパッチ、内服薬(バレニクリン:商品名チャンピックス)があります。ニコチンガム、ニコチンパッチはその名の通りニコチンを含有する製剤で、ガムの場合は口腔内から、パッチの場合は皮膚から少量のニコチンを体内に取り込むことにより、ニコチンからの離脱症状をやわらげます。禁煙が習慣づくまでの数か月間、補充するニコチンの量を少しずつ減らしていくようにします。一方でバレニクリンは飲み薬であり、ニコチンそのものを含んではいません。しかしバレニクリンは脳内でニコチンが働きかける部位に結合して、神経伝達物質の分泌を行うため、禁煙してもニコチン切れによるイライラ等の離脱症状を起こしにくくなります。また、喫煙をしてもニコチンが本来作用する場所がすでにバレニクリンによってブロックされているため、タバコを吸っても美味しく感じないという効果もあります。
当院の禁煙外来では主に飲み薬(バレニクリン)を用いての禁煙治療を行っています。初診時には禁煙に当たってのアドバイスや薬の服用方法などについて、医師と看護師からそれぞれ説明を行っています。また希望される方には肺気腫や肺癌など、喫煙と関連が強い肺疾患のスクリーニング検査を同時に受けていただくことも可能です。約3か月間(12週間)で計5回の外来通院が標準的な治療期間となります。


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