放射線機器-CT検査

CT(Computed Tomography)

CT(Computed Tomography、コンピューター断層撮影)検査は、X線を利用して、物体を透過したX線の量をデータとして集めて、コンピューターで処理することによって、物体の断面画像を得る検査です。また、たくさんの薄い断面画像を得ることで3D画像を作ることも可能です。治療前に病変の有無や広がりを調べたり、治療の効果を判定する、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査です。そのまま検査する単純CTと静脈より造影剤を注入する造影CTがあります。

検査前の準備

  • 胸部単純CTは特に注意事項はありません。
  • 腹部単純CTおよび造影CTは3時間以上の絶食が必要です。水分(水やお茶)の摂取は可能で制限はありません。(牛乳など脂肪分を含んだ飲料はお控えください。)
  • 服用中のお薬については、医師からの指示がない限り通常通り服用してください。

検査時間

10分から30分程度(検査内容により異なります)

注意事項

  • 検査説明や準備が必要ですので予約時間の10分前に受付を済ませるようにお願いします。緊急検査や検査の進行状況により検査予約時間より前後することがあります。
  • 着衣は金属がなければ着衣のまま検査可能ですが画像に影響がある場合は専用ガウンに着替えていただきます。ネックレス 湿布 カイロ コルセット等は検査前に更衣室で外しておいてください。
  • CTはX線を利用します。また検査用寝台で安静にしていただく必要があるため次の方々は検査できない場合があります。

【主治医の先生にご相談ください】

  • 妊娠中もしくは妊娠の可能性がある方
  • 小児
    検査中に静止できないと検査ができません。静止できない場合は、検査を中止させていただくことがあります。
  • バリウムを使用した検査を1週間以内に受けている方
    画像に影響があるため検査を延期させていただく場合があります。

造影剤を使用される方へ

目的の部位をよりわかりやすくするためや、異常部位の性状の判定のために造影剤を使用することがあります。副作用の頻度は少ないですがゼロではありませんので下記に該当する方は前もって主治医の先生にお申し出ください

  • 喘息(小児喘息、気管支喘息、咳喘息、アレルギーを含む)の既往歴がある方
  • アレルギー症状がでている方
  • ヨードまたはヨード造影剤のアレルギーがある方
  • 重篤な心臓、肝臓または腎臓の障害がある方
  • マクログロブリン血症、多発性骨髄腫、テタニー、褐色細胞腫を指摘されている方
  • 甲状腺機能亢進症の方
  • 一般状態が極度に悪い方

造影CT検査を受けられる患者様で、糖尿病薬を服用している患者様へ

糖尿病薬のうち、ビグアナイド系糖尿病薬を服用している方の場合極めて稀に造影CT検査後に乳酸アシドーシスという副作用が起こることがあります。乳酸アシドーシスとは、初期症状として食欲不振、嘔気・嘔吐腹痛、下痢などの胃腸症状が急激に出現し、進行すると倦怠感、筋肉痛痙攣、脱力感、腰痛、胸痛、過呼吸、脱水、低血圧などを引き起こし昏睡状態に陥ることもあります。これらは腎臓の機能が障害されている場合に起こりやすいといわれています。
そこで万一の副作用を防止するため、ビグアナイド系の糖尿病薬を服用している方は(特に腎機能障害を合併している方)、検査前48時間前から検査当日まで同剤を服用せず、検査後も48時間は服用しないなどの対応が必要となる場合があります。またこの間これらの糖尿病薬を服用しないことにより血糖値が一時的に上昇する可能性がありますので、処方医にお薬の休薬が可能か確認して造影CT検査の許可をいただいておいてください。服用している糖尿病薬がビグアナイド系の糖尿病薬であるかどうかわからない場合や、ご自分の腎機能が低下しているか分からない場合は、処方医にご相談なさってください。

撮影装置外観