主な生理機能検査
主な生理機能検査
心電図検査
①心電図・負荷心電図検査
心電図検査は、心臓が動いている時に出る微弱な電気を、胸と手足に付けた電極 から捉えた波形を記録します。脈の乱れ(不整脈)、胸の痛み(狭心症)などの原因や病気の診断のために調べます。
負荷心電図検査は、安静時の心電図を記録した後、一定時間踏み台をリズムに合わせて上り下りし、運動前後の心電図波形の変化を見ます。
狭心症の有無やお薬の効き具合などを調べます。
②ホルター心電図検査
シールの電極を胸に貼り付け、小型の記録機で24時間の心電図を記録します。日常生活の中でどのような不整脈が出ているか、また胸が痛い時に心電図の変化がどうかを調べることができます。検査中は主な行動(就寝、起床、食事、トイレ、仕事、症状など)を記録(メモ)していただきます。
脳波検査
小さな電極を頭皮にたくさん貼り付けて検査をします。脳から出る微弱な電気変化を波形として記録し、脳の活動状態やてんかんなどの診断、治療効果の判定に役立てます。
(検査時間は1時間程度)
呼吸(肺)機能検査
肺・気管支などの状態や働きを調べる検査です。
息を大きく吸い込んだり、吐き出したりします。
この検査は最大限に努力した状態をみますので、何回か同じ検査を行っていただくことがあります。
(検査時間は検査の種類によって10分から30分程度)
PSG検査
PSG検査(終夜睡眠ポリグラフ)は、睡眠中の呼吸状態などを正しく診断するために必要な検査です。夜間どのように眠られているか総合的に見るために、脳波、心電図、鼻と口の息の流れ、血液中の酸素飽和度、胸や腹の呼吸運動、眼球の運動、筋電図、いびきの音、睡眠姿勢などを検知するセンサーを装着し、一晩寝ていただきます。からだに様々なセンサー類を装着しますので、動きづらい等の多少の違和感はありますが、痛みはありません。寝ている間に記録された結果は、当院では医師及び技師が解析を実施し判定しています。
この検査で記録された結果より、眠りの深さ、睡眠障害の程度、無呼吸/低呼吸の有無と重症度、脈拍の変化、睡眠中の体位による変化などを解析し、診断をします。簡易検査で調べる無呼吸の有無やその頻度だけでなく、睡眠の状態、睡眠と呼吸との関連などを詳しく調べることができる検査です。
超音波検査
超音波を用いて体内の病変を調べる検査です。体内へ超音波を送り、その跳ね返りを映像化します。
超音波が伝わりやすいように、体の表面に検査用ゼリーを塗り、超音波が出る器械(プローブ)をあてて検査を行います。検査時間は20分です。
主に心臓、血管、腹部、甲状腺などの検査を実施しています。
神経伝導検査(NCS)
皮膚の上から末梢神経に弱い電流を流して、電気の伝わり方を調べます。 運動や感覚の障害が、末梢神経、又は、末梢神経と筋肉の接続に原因があるかどうか、また末梢神経が障害されている部位や程度がわかります。末梢神経の病気の診断に役立ちます。
検査の注意点
- 着脱しやすい服装でおこし下さい。上肢は肘の上、下肢は大腿が出るようにして下さい。
- 手や足にクリ-ム、軟膏等を塗らないようにして下さい。
- 検査時間は約30~60分です。
筋電図検査(EMG)
針筋電図は、筋肉に針を刺して筋肉の電気活動を記録し、病気の原因が、筋肉そのものか、筋肉を動かしている神経の疾患かを推定するため、また、障害がある部位の範囲や程度を調べるために行います。一方、表面筋電図は、手足や顔面などに生ずる不随意運動を調べるために行い、針電極や電気刺激を用いないので痛みを伴いません。
検査の注意点
- 疾患によって、上下肢や体幹の筋肉を検査する可能性がありますので、着脱しやすい服装でおこし下さい。
- 針筋電図では、筋肉に直接針を刺す際に痛みを伴います。また、検査中に力を入れていただくため、患者さんのご協力が必要です。電気刺激は行いません。
- 抗血小板薬や抗凝固薬(血をサラサラにする薬)を飲まれている患者さんは刺したところからの出血が止まりにくい場合があります。あらかじめ主治医とご相談下さい。
- 検査時間は約30~60分です。
誘発電位検査
- 体性感覚誘発電位(SEP)は、頭や首に電極を付け、手足の末梢神経を弱く電気刺激し、脊髄、脳に至る感覚神経と中枢神経の働きを調べる検査です。多発性硬化症・視神経脊髄炎や脊椎・感覚神経の病気による神経障害の診断に役立ちます。手や足の神経を電気で刺激するため少し疼痛を伴う検査で、検査時間は約30分です。
- 視覚誘発電位(VEP)は光刺激(画面の格子模様を見る、又は、ゴーグルをつけて光刺激する)を用いて、視神経、視覚経路の働きを調べる検査です。視神経炎が出現しうる多発性硬化症・視神経脊髄炎では必ず行います。検査時間は約30分です。
- 聴性脳幹反応(ABR)は、頭に電極を付け、音刺激(ヘッドホンから出る音を聴く)を用いて、聴神経から脳幹の働きを調べる検査です。多発性硬化症・視神経脊髄炎や聴神経の病気の診断に役立ちます。検査時間は約30分です。