6.多発性硬化症このページを印刷する - 6.多発性硬化症

中枢神経系の自己免疫性脱髄疾患です。その仲間には、1)多発性硬化症、2)視神経脊髄炎、3)急性散在性脳脊髄炎、4)同心円硬化症などがあります。中枢神経とは脳(視神経も含みます)と脊髄に存在する神経です。脱髄とは、電気的信号を伝える神経を保護している髄鞘と呼ばれるところが損傷してしまうことです。すなわち電線を包んでいるビニールの絶縁体が破損して電線がむき出しとなり漏電をおこし信号伝達が障害されることです。例えばコンピューターが有線でプリンターにつながっている時、その線の絶縁体が壊れプリンターがうまく作動しなくなった状態です。
多発性硬化症とは、その脱髄が、時間的および空間的多発性を特徴とします。すなわち時間的多発性とは何度も症状を繰り返すことです。空間的多発性とは複数の障害部位が存在するということです。硬化症とは障害を受けた組織が正常な組織より硬くなっていることを示しています。

脱髄の原因は不明です。免疫的異常により自分の免疫系が自分の神経を攻撃してしまうことにより生じます。このため他の人に感染することはありません。発症には、体質、感染、環境などの関与が想定されています。女性にやや多いですが50歳以上の発症はまれです。


中枢神経に基づく障害なのでいろいろな症状を呈します。感覚障害,筋力低下、視力障害、複視、排尿障害、精神症状など様々です。


・臨床症状:中枢神経障害に関係する症状であるか
・病 歴 :これまでも中枢神経障害を起こしていないか
・髄液検査:腰椎穿刺により髄液のIgGやオリゴクローナルバンドの測定をします
・MRI検査:脳や脊髄の異常を明確に示します。症状と画像の異常が一致するか   
      を確認します

 

急性期はステロイドホルモンの点滴をします(ステロイドパルス療法)。その後はステロイドホルモンの経口剤を短期間使用します
安定したらインターフェロンβの注射剤を使用することで再発予防につとめます。また再発予防の経口剤も市販されるようになってきました。

一般には再発と寛解を繰り返すことが多いですが、個人差があり様々です。

視神経脊髄炎
以前から多発性硬化症と似た疾患として主に視神経と脊髄に脱髄を生じる疾患が知られていました。近年これは多発性硬化症とは異なる疾患であることがわかってきました。症状としては主に視神経炎と脊髄炎を呈します。女性に多く高齢発症もあります。
診断として血液中の自己抗体(抗アクアポリン抗体)の存在と脊髄で3椎体以上長さの異常の存在が用いられています。治療としてインターフェロンは用いません。ステロイドホルモン、免疫抑制剤などを用います。


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