アルツハイマー病四方山話-6このページを印刷する - アルツハイマー病四方山話-6

(この記事は「重松神経内科医長」に院内報のために14回にわけて掲載させていただきましたものに若干の加筆訂正してまとめたものです)

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第6話 第7話 第8話 第9話 第10話
第11話 第12話 第13話 第14話  

第6話

前回までのあらすじ:アルツハイマー病の原因として軸索流の障害が考えられることを紹介しました]

暑い日が続きますがお元気ですか。こう暑いと海かプールがいいですよね。僕が子どもの頃は川で泳いだりする事も今よりもっと多かったです。川の水は冷たくて気持ちいいし、石ころを積んで遊んだり、皆さんはされませんでしたか?小さな防波堤を作って流れをせき止めて、川虫を捕ったり、綺麗な石を集めたり、、、、。私たちの神経細胞もちょうどこんな小川のようなところがあるんです。前回軸索は川のように中身が流れていることをお話ししました。小さな虫が川底から離れてしまうとあっと言う間に流されてしまったり、小石がゆっくりころころ流れていくのと同じように、軸索の中を流れていくのも、物質によって早く流れたりゆっくり流れたりしています。中には鮭みたいに遡って行くものもあるんですよ。時には邪魔が入って流れがせき止められたりもするんです。お話の主人公、アルツハイマー病の特徴的な蛋白質:アミロイド蛋白でしたね、この元になるあのAPPもやはり、軸索の中を流れています。電子顕微鏡で見ると小さな小さな風船みたいになって割と早く流れていくことがわかりました。石ころやダムで流れがせき止められるように、軸索の中の流れもいろんなことで変わったりします。一番ひどいのは、チョンギレタ場合ですよね。流れ着いた物質はそこでぶっちゃけられて貯まってしまいます。川をせき止めたらその上流に水が貯まってダムになるように、軸索もせき止められるとその手前が膨らんで、そこに中身が貯まってきます。我らがAPPもまさに貯まってくる物質の代表なんです。そう、皆さんももうお気づきかも知れません、こうして貯まったAPPからアミロイド斑が出来るんじゃないだろうか、僕らはそう考えてみたんです。そんな風だったら、当然脳の指令は伝わらなくなるんだし、痴呆症とも関係がありそうでしょう。

次回は、この謎を解こうとして僕たちが考えた実験のお話をしましょう。来月は夏休み。川でも海でもいいから泳ぎに行きたいなあ。

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